1843年産業革命のアメリカ。13才のリディは、母、10才の弟、幼い妹2人の5人で貧しい暮らし。家を黒クマが襲ったのを機に母は妹たちを連れて親戚のところへ行ってしまった。リディは自分が借金を返して家と畑を取り戻さねばと、紡績工場の女工になる。1日13時間労働、不衛生な環境、自分の給与のことしか考えない監督。だが、リディに影響を与える先輩との出会いがあった。最初に仕事と文字を教えてくれたダイアナは、労働条件の改善運動を行う中心人物。ルームメイトのベッツィは大学へ行く野望を持っていて、リディに読書の楽しみを教える。ベッツィに読んでもらった「オリヴァー・トゥイスト」はその後のリディの心の支えとなるのだ。織り機での事故、病気、母の死、弟と妹が養親へ引き取られ家族はバラバラ。幾多の困難を乗り越え必死に働いてきたリディだったが、後輩が監督に襲われるところを助けたために解雇されてしまう。黒クマの襲撃以来3年の月日がたち、たった1人になってしまったリディ。懐かしい我が家に立ち寄ったリディは、待っていた農家の青年の求婚を断り、大学へ行く決心をする。
現代にも貧しく働く子どもたちが世界にたくさんいて、これは過去の物語ではない。でも、いつか黒クマに対峙することを目標に歯を食いしばって生きてきたリディが、その”クマ”は実は自分の内にいたと気づく最後。「まだ、きぼわ(希望は)、あるよ」という言葉に明るい未来を感じることができます。 (ふ)