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魔女の子ども

 

魔女の子ども

魔女の子ども

 

タムとネッドの母は、森の奥の国で暮らす魔法を管理し周りのために使う家系の末裔だ。自分のためには使ってはいけない。だが、二人が川で流されタムの命が失われ、ネッドも瀕死となった時、思わずタムの魂をネッドの中に入れることでネッドを助けた。ネッドは助かった「だめな方の子」としてうまくはなせず引きこもりがちな子に育った。一方アインは海辺の街で育った。実際的でしっかり少女だが、母親が死んだ後、父が変わってしまう。父は若いの暮らしに戻ると言って森の中の家にアインを連れていった。山賊をしているらしいと気付くが、アインは、ともかくその家で暮らしをたてていこうと働き始める。そんなあるとき、女王が巡行に来て心臓発作で倒れたのをネッドの母が救い、お礼にと都に招待された。ところが、母の留守中に山賊が魔法の存在を悟って奪おうとやってくる。渡さないと父さんが殺される、ネッドは自分の体に魔法を入れることで父さんを助けようとした。簡単には手に触れられない魔法。山賊の頭であるアインの父は、自分たちの王に魔法を売り込むことで権力を得ようと考えていた。途中、チャンスをつかんで逃げたネッドは、途中でオオカミと仲良くなる。そして森の中でアインと出会った。アインは父親が不正をするのを止めたいとネッドを村に帰そうとする。森では魔法と共に眠っていた石の神が目をさまし、この成り行きを見守っていた。制御が難しい魔法、それぞれの王国と廷臣たちのトラブル、タムを亡くした悲しみを抱える父とネッド。山賊たちは王を扇動して女王の国を攻めさせ、ついに全員が一堂にかいすることになる! カッチリした定番ファンタジーの安定感があって楽しく読める。途中でラストが予測できるが、実際的なアインを筆頭に、ネッドの母、女王と女性たちがみんな聡明でしっかりしているのがたのもしいです。