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なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸

 

 特別本好きというわけではないけど隣に住んでいるせいで図書館に良く行く小5のシュウマイこと佐藤修。バトルという言葉がおもしろそうだな、と思って若くて熱心な司書クルミンこと壇くるみさんに薦められてビブリオバトルに参加することに決めた。でも、何を薦めようかと迷う。大好きな『ヒックとドラゴン』は、子どもっぽいかも! 一方藤谷アキはおとなしい女の子だ。ファンの中学生アイドルの女の子がビブリオバトルの番組をみて興味を持ったが、人前で話すなんて苦手。だけど、『子犬工場』を読んでショックを受け、みんなにも読んでもらいたいと参加を決意する。本田玲奈はママの友だちの息子という陽平くんにあってときめく。大学生の彼がビブリオバトルをするのを見て自分もやってみようと申し込むのだけれど、練習してもうまくいかない、でも逃げないよ! そして勅使河原陸は実はシュウマイとは幼なじみの友だちだったが現在喧嘩中。きっかけはカード・ゲームのトラブルのせいだった。カードの色を間違え、それを修にズルだと責められたのが納得いかない。そして、その原因は自分でも気づいていないほどの色弱のせいで見分けがつかなかったと知る。人によって見えているものが違う不思議を伝えたい。陸もバトルに参加することにした。4人の著者により、それぞれの子どもたちが参加を決意し、何をどう紹介しようかと決めていく過程はなかなか面白い。楽しく読める本。