所長さんと事務所の先輩麻子さんが結婚。ところが、新婚旅行の宇宙船が乗っ取り!? その陰には誘拐事件が。だけどこの誘拐事件、被害者と加害者が協力!? というドタバタコメディタッチの物語。事件を解決するために太一さんとあゆみは宇宙船に潜入。背景にはヴィヴの毛皮取引にかかわる問題があり、この毛皮問題は、ファッション界での毛皮使用の是非問題っぽい雰囲気です。ドタバタ加減がふつうとずれている感じが魅力ですが、再読して読んでいるうちに、このシリーズはや結局残らないだろうなぁと思いました。昭和すぎます。実は深く愛しているのに、娘にそれをうまく伝えられない不器用な父とか、暴走してしまった麻子に向かって手をあげる夫の所長と、それを愛だわ♡とうっとりする麻子さん、ヴィヴの毛皮利用の是非で悩む思考のグルグル感。今の子が読んだらDV(父親はネグレクト、所長は暴力)と思うよね。また、思考の論理の建て方も、今の子だとディベート練習とかしてるから、もう少し論点整理できそう。作品の中の価値観が、明らかに現在とずれていて、そこだけを取り出してバッシングするつもりはないけど、今の中高生の感覚ではやっぱり理解できない気がする。(そもそもまもなく21歳という若さのあゆみちゃんが結婚を意識というのが理解不能では?)楽しいし、悩みぬく登場人物たちは好感が持てるけど、思い出の1ページの作品だと思いました。シリーズまだ残ってますが、これで一区切りします。