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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

よめたよ、リトル先生

 

よめたよ、リトル先生

よめたよ、リトル先生

 

小学2年生、転校してきたばかりのダグラスは字を読むのが苦手。ぐにゃぐにゃ曲がった線に見えるから。なまってると笑われ、友だちもいない。担任のリトル先生は、そんなダグラスに放課後、絵本を使って字を読む練習をさせた。実に根気よく。ダグラスは嫌々だけれど、大好きな島のことが書いてあったから続けた。毎年夏におじいちゃんが連れて行ってくれる島での、わくわくした気持ちを思いながら文字を読んだ。1冊を読み終えるとダグラスは次から次へと読み、字を読む楽しさを知った。いまやダグラスは作家となり、リトル先生に自分の作品を贈るまでになったのだ。
ADHDの著者の自伝的作品。LDのパトリシア・ポラッコによる『ありがとう、フォルカーせんせい』もよく知られています。障害や病名でくくるのではなく、その子、人が抱えている困難への理解が大切だなあと思います。 (は)