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ぼくと石の兵士

 

ぼくと石の兵士 (みちくさパレット)

ぼくと石の兵士 (みちくさパレット)

 

 オーエンは、人前で話すのが苦手。しかも今は誰にも打ち明けられない悩みもある。でもある日、ふと公園の石の兵士に話しかけたことがきっかけで、その兵士にいろいろ打ち明けるようになった。発表が苦手なオーエンを、先生は学校図書館開館セレモニーで市や記者が来るイベントで詩を発表する3人の一人に推薦した。オーエンはすぐに断ったが、直後公園の改修で石の兵士は古くて壊れかけているから撤去して壊す計画があると知る。絶対にイヤだ。必死に市に残して欲しいとメールを送ったけれど「残念ですが」という返事。オーエンは式典に参加して自分の思いを伝えることに最後の望みをかける。
オーエンと、オーエンの母親の悩みが石の兵士とからんで最後に明かされる形になっている。常に派兵が絶えない軍隊があるアメリカ。この国の軍や兵士はどういう存在なんだろうということも思わず考えた。日本も自衛隊の活動範囲が徐々に広がりそう。大切なことは何か、兵士は戦争に行きたいのかを考え続けたい。