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サンドイッチクラブ(2021課題図書 中学生)

 

サンドイッチクラブ

サンドイッチクラブ

  • 作者:長江 優子
  • 発売日: 2020/06/26
  • メディア: 単行本
 

 中学受験のために進学塾に通う珠子は、成績は低迷、なぜ私立に行きたいのかも迷っていた。同じ進学塾の羽村ヒカルは塾でもトップの成績優秀者。偶然のことからヒカルと言葉をかわした珠子は、葉真という年下の男の子とヒカルが砂の彫刻を競う審判者にされてしまった。砂? と思う珠子の前で、ふたりはそれぞれみごとな作品を作る。そして珠子は、そのおもしろさに惹かれてヒカルと組んで砂の彫刻づくりを始めることになった。砂の彫刻家シラベさんに教えてもらいながら、徐々にのめりこんでいく珠子。ヒカルは、急に戦争について語りだしたり、自分の家にお金のないことから突然キレて珠子を振り回す。平凡な女の子と、ちょっとエキセントリックな女の子の組み合わせや、砂の彫刻という題材でなかなか楽しく読ませてくれるが、ふりまわされている珠子が、とっとできすぎ感を感じてしまったりした。ちなみにタイトルは珠子→タマゴ、羽村→ハム、砂→サンド からくるもの。でも表紙がおいしそうなサンドイッチなのでお料理をめぐるおはなし? と、思ってページをめくるとちょっとあてがはずれるのでご注意!