児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ほしになったりゅうのきば

 

「子どもがほしい」と言いくらしていた老夫婦のもとへ、大きな石から赤ん坊が生まれる。サン(英雄)と名づけられ立派な若者に育つ。ある日、龍の兄弟による争いで天が裂けてしまい、サンたちの暮らす村に滝のような大雨や石のようなひょうが降り注ぐ。村を救うため天の裂け目をふさぐ旅に出るサン。九十九の川をわたり九十九の山をこえてクマ王をたずね、つくろい上手と評判の白ひめをよめにもらう。2人は力を合わせて、海、山、天への冒険の末に天の裂け目をふさぎ、村に平穏をとりもどす。そのとき使った白ひめのターバンと龍のきばのくぎは輝く星となり、天の川をつくっています。そして今もサンたちは、天の裂け目をつくろい続けているのです。
中国南部山岳地帯の昔話。耳で聴けばひたすら壮大な物語です。くわえて赤羽末吉さんの絵から私たちは、この昔話を伝える少数民族の美しく繊細な風俗を知ることができるのです。 (P)