児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

おいっちに おいっちに

 

ぼくはボビー。おじいちゃんの「ボブ」からもらった名前です。おじいちゃんは、よちよち歩きのぼくの手をとって、歩き方をおしえてくれました。「おいっちにおいっちに」。でもぼくが5歳になった年、おじいちゃんは病気になってぼくのことがわからなくなってしまいました。おじいちゃんのひざの上で、おいっちにの話を聞くのが大好きだったのに。おじいちゃんに何をしてあげればいいかな。

「ボビーだよ」、ぼくは話しかけてみました。一緒に遊んだことのあるつみきをやってみせました。高く高く・・・がらがらとつみきがくずれて、ぼくは大笑い。そしたら、おじいちゃんが少しわらったのです。おじいちゃんの病気はきっとなおる!今度はぼくの肩に、おじいちゃんが両手をのせて歩く練習です。「おいっちにおいっちに」ってね。

原書1981年刊行のものは青と茶の濃淡でしたが(邦訳『さあ歩こうよおじいちゃん』絵本の家)、2005年版のこちらはカラフルな挿絵。より表情がくっきり見えるようになった気がします。以前の方は風景も立ち上がってくる良さを感じます。たとえば2人が歩く夜空に浮かぶ三日月とか。 (は)