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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

十二の月たち

 

いじわるな姉と母親の言いつけで雪深い外へ出かけた継むすめを、十二の月の精たちが助け、冬の森を花咲き果実のみのる春や夏、秋に変えてくれるスラブの民話。チェコの国民的作家というボジェナ・ニェムツォヴァーによる再話はドラマチック。子どもへの語りやよみきかせには、シンプルな「十二のつきのおくりもの」(東京子ども図書館『エパミナンダス』所収)をおすすめしたいが、厳しい雪の風景や黒々と深く広がる森、スラブの民俗を描く本書の挿絵は、語ってやるおとながぜひ見ておきたい。豊かなイメージをもって子どもに届けられると思う。 (は)