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顔のない花嫁

 

ケヴィンには怖いものなんてない。そして得意なのはお化け屋敷を作ること、毎年恒例のお化け屋敷を競うイベントで優勝をめざしている。古いお屋敷を使い、ハローウィンのある10月に子どもたちのグループで競うのだ。昨年はパトリシアのせいで優勝をのがした。パトリシアの家は金持ちで、しかもひきょうな手を使ったのだ。今年は、地下室を使い、不気味な墓地とゾンビを作るつもりだった。ところが、地下室には不気味なマネキンがあった。ボロボロの花嫁衣裳を着たその人形をケヴィンは倒してしまった。倒れたはずみで顔がくだけ、いっそう不気味になったマネキンをみて、今回のお化け屋敷でこれを使えば優勝は間違いないと確信した。だが、もともと屋敷にあったものは使ってはいけないルールだ。おまけに、このマネキンは、結婚式直前に戦地で命を落とした婚約者を追って自殺した花嫁の両親が、娘を失ったのに耐えられずに作って、娘が死んだときのウェディングドレスをきせたとわかる。そして、その時から、次々と不気味な事件が起こり始める。そして、お化け屋敷のオープニング当日。子どもたちが準備を完了した時に、いきなり屋敷は閉ざされ、全てのお化け屋敷の仕掛けは本物に変わってしまった。ケヴィンは、友だちと共に、なんとか脱出を試みる! 不気味な雰囲気満載で、怖い話が好きな子にオススメ。