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ヒナゲシの野原で 戦火をくぐりぬけたある家族の物語

 

第一次世界大戦で激戦が行われたベルギーのフランダース。マルテンスの父さんは、2005年にその戦争の不発弾のせいで命を落とした。そんなマルテンスに、おじいちゃんは家族の話をしてくれる。第一次世界大戦のさなか、ここで暮らし、イギリス兵に卵やニワトリを売って暮らしをたてていた一家。ひいおばあちゃんにあたるマリーは、ある日、兵士が破り捨てた紙を拾った。そこには戦いで亡くした親友のために詩を書こうとしていた途中の作品だった。ヒナゲシの花咲く中で、逝ってしまった。それを大切にしていたマリー。後日、彼が有名な詩人になったことを知る。ヒナゲシの野原で、なぜ殺し合たのか? そして戦争の不幸は、終わった後にも不幸を残すことを忘れてはいけない。