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ドラゴンフライ ゲド戦記5

 

再読したが、内容を全く記憶していなかった! 「カワウソ」はロークの学院の始まりにまつわる物語。男女が手を取り合って(当初は女性の方が多かった)ロークが、男性だけの世界になっていくのはなぜ? とこの後の歴史を考えさせられた。「ダークローズとダイヤモンド」は魔法と歌の才能をもって生まれた一人の男の子の物語で、軽い雰囲気で読める。『地の骨』はゲドを最初に導いたオジオンの物語で、オジオンさまの若い日はこんな風だったんだと、ストンと胸に落ちるような作品。「湿原で」も「さいはての島へ」以前のゲドが出てくるが、ゲドが探しに来るまでの湿原で動物を助ける一人の男の謎が魅力。「ドラゴンフライ」は「さいはての島へ」でいわれていたゴントの女の謎を思わせる作品。自分が何者かを知ろうとして学院にやってくるドタゴンフライという少女の物語。個人的には「地の骨」と「湿原で」が好きだと思った。