児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

エメリン・パンクハースト

 

上野千鶴子訳、というので読んでみた。内容はイギリスで女性参政権に力をつくしたエメリン・パンクハーストの伝記絵本。ただ、絵本形式で文字数とページ数がすくないために、「女の子だから仕事ができなかった」「夫が死んで社会に放り出された」「政府は女性参政権の活動をやめさせようとした。」などと項目的にしか書かれていないのが物足りない。せめて、夫が死んだ後、何の仕事をしたんだろう? とか戦争により女性が働く経験ができたことが女性の社会進出を後押しした経緯とか、やはりもう少し詳しく説明があってほしい。それにしても、日本はまだまだ女性の権利の後進国ですから、こうした伝記も意味はあるのでしょう。