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男も女もみんなフェミニストでなきゃ

 

男も女もみんなフェミニストでなきゃ

男も女もみんなフェミニストでなきゃ

 

 ナイジェリア出身の女性作家のトークをまとめた読みやすい本。中高生でも十分に読める。14歳で「フェミニスト」と言われて、それはどんな意味かよくわからないから家に帰ってあわてて調べたエピソードから始まり、フェミニストとは夫がみつけられない不幸せな女性だ、西洋人の考え方だ、男嫌いだ等々言われる中で、「男嫌いではないハッピーなアフリカ的フェミニスト」と自称を増やしていくしなやかさ、あまりにも日常の中で気づかれない一つ一つの差別をやりすごしたくない思い、男性に脅威を与えないことが女性の役割として期待されていることへの異議申し立てと、脅威を与える女性を嫌がる男に好かれても楽しくないという当たり前の(!)感想。上野千鶴子氏の著作でもそうだったが、気負わなくても、ふつうに我に返って考えたら変じゃない? という自然体の抗議の表明がさわやか。辞書に書かれた定義「フェミニストとは、社会的、政治的、経済的に両性が平等だと信じる者」に従えば、ホント、男も女もみんなフェミニストでなきゃね!