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消えたグリフィン 魔笛の調べ2

 

笛吹きの野望をとりあえず阻止したものの、パッチは、敵だと思い込んで湖に突き落としてしまったアーナーを探さなければならない。魔女アリーナ、ネズミにされたレン、グリドラコのバルヴァーの手を借りて、海賊に捕らわれていたアーナーをなんとか助け出す。さらにレンを人間の女の子に戻すための探索や邪悪な笛吹との対決と物語は続く。ちょっと印象的だったのは、ドラゴンと人間が共存する街スカモスへの攻撃。人間とドラゴンの共存を認めないドラゴンの軍が破壊するのだ。街の人たちは戦うのではなく、全員が無事な脱出をするという選択。不条理ではあるが、それはただの弱さではないのではないか? また、グリフィンが戦争には一切かかわらない道を選択している。悪との戦いが描かれる一方で、こういうシーンがあるのはうれしい。とはいえ、全体的に1巻よりキャラがドタバタする感じになってきた感じで、もう少しドラマ(事件ではない物語)が欲しいと感じるのは、私の好みかも。