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ようせいのゆりかご

 

ようせいのゆりかご (せかいのどうわシリーズ)

ようせいのゆりかご (せかいのどうわシリーズ)

 

 読んであげるなら5歳くらいから、自分で読むなら小学校2~3年から。表題作は、くもが妖精の女王さまのあかちゃんのゆりかごをつくっていたのに、サリーの遊んでいたマリがこわしてしまったおはなし。サリーは、かわりにクルミの殻を使ってクモと一緒にゆりかごを作るおはなし。他の物語も指ぬき隠しの遊びをしていたら、ネズミがこっそり持って行ってしまうが、裁縫箱の仲間が助け出す「銀のゆぶぬき」、こねこが小人を捕まえてしまったのを助けてあげる「こねこのつかまえたもの」など、妖精や小さな者たちのおはなし。夜に歩き回って、みんなを助けてあげる小人「夜のみはりばん」など、一度読むと、今夜自分のところにも来てくれそうな気持になる。不思議が、ごく自然に子どもの心に届く物語。