児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

おそらにはてはあるの?

 

そらは、どこまでも果てしなくつづいているの? 夜空を望遠鏡でのぞいてみると、目では暗く見える星と星の間にも、たくさんの星が見えてくる。もし、空に果てがないとしたら、星と星のすき間をどこまでも星がうめていき、夜空は星の光でまぶしいくらいになるでしょう。でも、私たちが見上げる夜空は暗い。ということは、空に果てがあって、星空がずっと続いているのではない、ということなのです。と解き明かしてくれる。

おそらにはてはあるの?と、幼い子どもがたずねているようですが、これは、ドイツの天文学者が疑問に思い、1826年に答えを導き出したもの。ポップなタッチの挿絵が幼い子向けなのですが、静かに語りかける文章とは合っていないような気が。また、科学的な答えを示したあとで、「わたしたちがゆっくりねむれるように」神さまが暗い夜をつくってくれたのですね、と締める文章も、自然の神秘性を感じられるのはとてもいいけれど、科学絵本としては、最後にはぐらかされたようです。 (は)