ブランさんのケーキ屋で、パイの中に入れられた陶人形ミリー。このパイを注文したアデルさんの家には、病気の母親の元を離れて暮らす女の子ベルがいる。ミリーは、自分がベルに当たるといいと祈るが、ミリーの入ったピースを当てたのはその家の兄弟の上の子。でもその子は、これはきみにぴったりだと言って、ベルに差し出す。そして、ケーキの上にのった紙の冠をベルにかぶせたその時、電話が鳴り、両親がベルを迎えに来るという、うれしい知らせがもたらされたのでした。
パイの中に隠されたフェーブ(陶器の置物)を当てた人に、1年間の幸福が約束されるというお菓子「ガレット・デ・ロワ」(”王さまのお菓子”の意)を、紹介する絵本。
フェーブを説明する文章の上にそら豆の絵があり、これは何?と思いますが、フェーブがそら豆を意味するという説明は巻末にあったり、文章の視点がミリーから離れたりするところなど、子ども向けの絵本ではない。フランスの伝統菓子を知って大人が楽しむものかなと思います。 (は)