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ガリバーのむすこ

 

ぼくことオマールはアフガニスタンで両親や妹と幸せに暮らしていた。小柄だけどクリケットが大好きで得意! だけどそんな生活は戦争で変わってしまった。父さんは死に、妹は行方不明。母さんと僕は逃げて国連の難民キャンプで過ごすが、そこにも危険が迫り、母さんとぼくは脱出。一年以上歩き続け、海岸に着く。この海をわたり、イギリスにいるおじさんを頼って行く予定だったが、お金が尽きた母さんは、後から行くと言ってぼくだけを船に載せた。だが、多くの人を乗せた小さな船は悪天候で転覆。気がつくと、ぼくは小さな人たちが住む不思議な島にいた。島の小人たちはとても親切で、ぼくをガリバーのむすことよんだ。かつて、ここにガリバーというぼくのように大きな男が来て、隣の島との戦争を止めさせたのだ。みんなはガリバーに感謝していて、とりわけザヤとナトバンの二人は、ガリバーが伝えた英語をぼくに教えてくれて、やっといろいろなことがわかってきた。ぼくは、今またせっかく仲良くなった隣の島に独裁者が誕生し、攻めてこようとしていたが、その時、ぼくがここに来たおかげで向こうが恐れて攻めるのを止めたことを知る。ぼくだってガリバーみたいに戦争を止めさせてみせる。泳げないけど、なんとかして向こうの島まで言って軍艦と武器を壊すんだ! 小人国リリパットに平和を取り戻し、イギリスにたどりついて母さんと再会する。主人公が難民少年となってよみがえったガリバー旅行記! モーバゴーらしい明るさがよい。