アメリカ先住民の血をひく13歳のサラは、家を出たきり戻らない母に会うため、祖父母とアメリカ横断の車旅に出た。旅の道すがら、祖父母に、親友フィービーと家族の出来事を話していくことは、自分自身に起こったことや心の変化をたどり自覚していく過程でもあった。
父親が親しくする女性の苗字がカダバー(”死体”)なこと、フィービー家のまわりをうろつく怪しげな若い男、それを知って挙動不審になるフィービーの母親。そして、フィービー家に投げこまれる謎の手紙には、意味深な言葉。
「人をとやかく言えるのは、その人のモカシンをはいてふたつの月がすぎたあと」
「井戸が枯れてはじめて、水のありがたさがわかる」
ミステリアスな要素を配しながら、サラが受け入れるべき事実のラストまで、読者をひっぱっていきます。 (は)