児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ぼくは川のように話す

 

吃音の症状がある作者が、子ども時代の感覚や体験をつづった。

朝起きて目にする物を、滑らかに音にできない辛さ。黙ってご飯を食べ、学校へ。発表のとき、うまくしゃべれないのをみんなが笑う。

そんなぼくをおとうさんは、静かな川へ連れていく。川の水を2人で眺めながら、「あれが、おまえの話し方だ」とおとうさん。

川は泡だち、なみうち、うずを巻いて、くだけていた。でも、やがて急流をこえた先で、ゆったりと滑らかな流れになるのだ。

「川だってどもってる」。

そんな川の姿、それがぼくの「流れるような」話し方なんだ。

「うみべのまちで」(BL出版、2017年)の画家、シドニー・スミスは、水の表現が見事です。 (は)