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絵画をみる、絵画をなおす 保存修復の世界

 

美術作品の保存修復を手がける修復家という仕事。修復技術はもちろん、作品の過去・現在・未来を見通して、最善の方法を選び修復を行えること、または、修復しない選択をできること。そのために、芸術家や過去の修復家の思いを推しはかる必要もある。

作品を長く未来へ伝えるためには、修復した場所がわかるようにしておくそうだ。この道を志したきっかけのイタリア家族旅行から語られ、修復に使う材料(小麦粉、卵、酢・・・)が料理のレシピみたいというのも、職業への興味をひく。

芸術作品と共にある仕事なので、近年のさまざまに自由な表現(氷など消える材料、その場限りのパフォーマンスなど)をいかにアーカイブとして遺してゆくか、常に学び、柔軟な考えを求められる難しい世界であることも知る。

ただ、本文とコラムの分け方があいまいなので、工夫がほしい。 (は)