児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

いじわるロージー

 

いじわるロージー

いじわるロージー

 

 農場暮らしをしているマービンは、ロージーという牛が大好き。だが、ロージーは、性格が悪く、他の家族から嫌われていた。ところが、マービン一家が働いていた農場が閉鎖されることになり、ロージーも売られてしまう。引っ越しをした後、新しい友達ができないマービンは、誰にも見えないほど小さいロージーがいると言い出し、家族もそれを認めるという物語だが、マービンは病んでいる部分がある、もうちょっと解決まで描いて欲しい。

いいにおいのおならをうるおとこ

 

いいにおいのおならをうるおとこ

いいにおいのおならをうるおとこ

  • 作者: ジルビズエルヌ,ブルーノエッツ,Gilles Bizouerne,Bruno Heitz,ふしみみさを
  • 出版社/メーカー: ロクリン社
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る        ずばり、はなさかじいさんの外国版。両親の死後、強欲な兄は、みんな自分のものにして弟にはおいぼれ犬しかやらない、すると犬は畑を耕してくれる。兄が犬を連れて行くと犬は何もしないので、怒って殺してしまう。弟は、犬を埋めたそばの竹でかごを編むと、卵がかごにあらわれるが、兄がとりあげるとゴミがでる。怒ってかごを燃やすと、そこで見つけた焼けた豆を食べる。するといいにおいのオナラが出るようになり、大儲けするが、真似をした兄はくさいにおいのおならでひどい目にあう、というもの。

化学のドレミファ

 

化学のドレミファ〈1〉反応式がわかるまで

化学のドレミファ〈1〉反応式がわかるまで

 

 著者まえがきによれば初版は1960年代なかばだったよう。ひとしくんは、自動車が作りたくて、部屋で爆発実験をしてしまうような男の子(たぶん中学1年)。高校生のお姉さんの運動会に行ったとき、校舎を除くと、[化学研究室]につい入り込み不思議なドルトン先生と出会う。水50㎎とアルコール50㎎を足しても100㎎にならない謎から始まり、化学の世界に入っていく。お姉さんも加わり、原子、分子、そしてそれらの反応、「混合物」と「化合物」の違いなどに進んでいく。会話形式で、読み手に考えさせる形式を1960年代に行っていたというのは、かなり先駆的ではないかと思う。実験をやったり、無重力体験をするファンタジックな世界を提供したりと面白いが、ビジュアルに慣れた今の子どもたちが、根気よくこれを読んでくれるかは、なかなか微妙かも。最後にドルトン先生は姿を消すが、自学自習こそ学習の基本であることを語る。それこそが、現代難しいことかも。

クララ先生、さようなら

 

クララ先生、さようなら (児童書)

クララ先生、さようなら (児童書)

 

 みんなが大好きだったクララ先生が病気になってしまった。学校にもどってきたけど、もう授業もできない。でも、教室の後ろで見守って、おはなしを呼んでくれる。だけど、ついに教室にも来られなくなる日が来た。ユリウスは、最後になにか素敵なものをあげたいと思うが、もうすぐ死んでしまう先生にあげられるものは何? ユリウスを死から遠ざけようとするおかあさん、だけどそれには理由があった。初めて知る、おなかの中で死んでしまったという姉の存在。そして、思い出のつまったきれいな棺を作ろうと思いつくが、大人たちは大反対する。ユリウスのおじいちゃん以外は・・・。死というテーマを描いたあまり類書がない作品だが、確かに「棺」を作る、というのは、ちょっとギョッとしそう。

5秒後に意外な結末 パンドラの赤い箱

 

5秒後に意外な結末 パンドラの赤い箱 (「5分後に意外な結末」シリーズ)

5秒後に意外な結末 パンドラの赤い箱 (「5分後に意外な結末」シリーズ)

 

 携帯小説? くらいの分量。内容は、「5000ドルの骨董品を買った。ニセモノではないかと心配して鑑定してもらったら、まちがいなく本物だったが、100ドルで手に入るものだった」等の、アルアル。気楽に楽しくは読めるが、印象に残るほどではない。気分転換にパラパラ向き。

森の新聞 春と夏

 

ビアンキ動物記〈18〉森の新聞―春から夏へ

ビアンキ動物記〈18〉森の新聞―春から夏へ

 

 自然観察をはじめとした地域のトピックを記事風にまとめたもの。少年記者や、少年少女のコロンブスクラブの活動などで、子どもたちに親しみを持たせる構成となっている。クイズなどもいれているが、本として読むより、実際に雑誌的に届いたほうが読まれる気がする。淡々と読んでいると、根気が続かなくなるかも。今の子どもたちが自発的に読むかは危なそう。

ふしぎな木の実の料理法(こそあどの森の物語1)

 

ふしぎな木の実の料理法 (こそあどの森の物語 1)

ふしぎな木の実の料理法 (こそあどの森の物語 1)

 

 こそあどの森に住んでいる男の子スキッパーのもとに、育ての親で南の島に旅行中のバーバさんから謎の木の実が届きます。でも水に濡れて、料理法を知っているという人の名前のあたりが読めません。しかたなしに、森のみんなに聞いて歩くうちに、友達がふえます。ちょっと、想定っぽいかな。