大きな事故があった、という。ジェンナは記憶を無くしていた。子どものころのビデオを見ながら、よみがえってくる記憶は、異様なほど鮮明に突然浮かび上がる。すがるように自分を見る母、嫌悪の目を向ける祖母。きっとなにか秘密がある・・・。読み始めてすぐ、サイボーグかクローンあたり、と予想したところほぼ的中。だが、動いて活動するためにはエネルギーを取り込まなくてはならないが、薬だけ???など、リアルさに欠ける。作者の最大の関心は、両親の過剰な期待を負った少女の心理。その意味ではそこそこ成功しているが、変にSF的にしないほうがよかったかも。するなら、きちんとリアルに描いて、私たちを説得して欲しかった。