自然の造形の玉(太陽や地球)から、工芸品やオモチャ(ビー玉など)、果ては芸術の造形までの網羅的な図鑑。テーマとしては面白い。
自然の造形の玉(太陽や地球)から、工芸品やオモチャ(ビー玉など)、果ては芸術の造形までの網羅的な図鑑。テーマとしては面白い。
とんち話のシリーズで、子どもたちにもよく利用されている。物語は、できごとがポンポンと進み、気軽に読みやすい。頭の回転が良く、ほかの人を出し抜くのに、なんとなく憎めない。「山をもってくる」では、村人にけしかけられ、山をもってくると言い切って、どうするのかと思いきや、山をもってくるのに邪魔だからと言って、村の家に火をつけようとしてあわてて止められます。一休さんの虎退治みたいなものですが、陥れようとしたものの盲点をつくのはとんちの醍醐味!
内容は、迷路だの探し絵だのゲームブック。あやとりだのなわとびを見開きに入れ、何を買っていいかわからない祖父母あたりをターゲットにして、新年度に合わせて出た感じ。分厚いのに2,500円と価格を抑えて、プレゼントとして買わせる作戦風。それなりに迷路とか楽しむかもしれないが、それだけ!?
小さな男の子の旅―ケストナー短編 (ショート・ストーリーズ)
「小さな男の子の旅」病気のお母さんのもとに、治療費を持って向かう男の子の物語。周りの大人たちに同情を寄せられているが、十分に深刻さを理解していない男の子が、病院ですっかり感じが変わって眠る母親を見てひそかに泣くようすはシリアス。もう一つの「おかあさんがふたり」は、二人目のおかあさんに納得がいかないリスベートと継母の物語。前のお母さんのお墓の前にいるリスベートに対し、継母が自分も母親がいなくてさびしかったこと、年ごろになっても誰も結婚してくれなくてさびしかったこと、「あたしもひとりぼっち」と率直に語って理解しあう様子は、今見てもすごい。二作ともケストナー初期作とのことだが、子どもへの十分な説得力があると思う。
開拓時代のアメリカ。9歳のベンは、優秀だったため寄宿学校に行かせてもらっていたが、父が倒れたことで呼び戻される。母はすでになく、兄のハリソンと姉のネティが農場を守っていた。寝たきりで言葉もしゃべれず、食事をさせるのも難しく、排せつも垂れ流し。ベンは、そんな父の姿にショックを受けるが、介護をしている中で、父にまばたきで合図してもらうことで、父に思考力が残っていることに気づく。父の喜ぶことをして元気を取り戻してほしい。父がいつも望んでいた納屋を建てることで元気を取り戻してもらおうと考える。実直な兄、16歳でもうすぐ結婚するつもりの勝気な姉。二人を説得して納屋づくりを進めるが、父は徐々に弱り、ついに完成の日に死んでしまう。ラストは、50年後、その父の納屋がまだ立っていることをベンが語って終わる。ベンの一途さは確かに感動的だが、介護の大変さはあまり触れられず、ベンは結局勉強をやめて兄と農業やったの?とかもしりたいけどわからず、なんとなく欲求不満が残る。