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アンブラと4人の王子

 

アンブラと4人の王子

アンブラと4人の王子

 

 

『ロバになったトム』に続いて、アン・ローレンスの作品を紹介。

ベルガモット公国は、まわりを大きなエバーニア国に囲まれている。エバーニアには4人の王子がいた。地味だが実直な長男クロービス。政治の才に恵まれた次男ベイ。学問に優れたベイジル。音楽と芸術を愛する陽気なオットー。王国を4つに分けて父王が死んだ後、4人の中には、ベルガモットのアンブラ王女と結婚したものが、王になることが暗黙の了解になった。素直で聡明なアンブラは4人から様々な影響を受けながら国づくりに励む。彼女が最後に選んだ人は? 金原氏の訳と佐竹美保のイラスト(佐竹氏のイラストは魅力的だが、こんなふうに人物を全面に出すより、装飾的なデザイン性がステキだから、そちらで決めて欲しかった思うのは、個人的な好みかも)のせいで軽薄な印象に仕上がっているが、王子たちの性格や、その中で自分の生き方に迷うアンブラ、そして彼女の答えなどなかなかいいせんをいっている。他の人の訳で読みたい。