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きっとオオカミ、ぜったいオオカミ

 

 

きっとオオカミ、ぜったいオオカミ

きっとオオカミ、ぜったいオオカミ

真砂人は、山で見つけた動物の骨を、絶滅種の日本オオカミではないかと、確かめるために上野にある科学博物館へ、長野から一人いくことにする、といった一人冒険物語。
途中、迷子の男の子ゆうじにつきまとわれ、流れ的に一緒に行動を共にする二人だったが…
 
科学博物館にいき、自分が発見した骨がオオカミかどうか確認していると、警備員に怒られ事務所に連れていかれる二人だったが、科学博物館の研究者に助けられ、さらに真砂人の見つけた骨が、なんの骨か解明してもらえることになった。
 
科学博物館案内みたいな小説で、前半の大神さまあたりのエピソードの不思議さの伏線が全く失われ肩透かし感があった。
一人の少年が、骨に魅力を感じ、研究者になりたいという構成はなかなか面白いが、ゆうじの存在ってそんな必要だったかな?と若干思わなくもない。
そして、真砂人自身がどこかでオオカミの骨だ!と信じ切れてない箇所があって、ここは信じて欲しかったなぁーと、作者のクールな視点がつまらなくも感じた。