児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ゴールデンバスケットホテル

ゴールデン・バスケットホテル

ゴールデン・バスケットホテル

コジシャルさんと、二人の娘セレステとメリサンドが、ベルギーブルージュにやって来て、ゴールデンバスケットホテルに泊まる事になった。そのホテルは部屋数は少ないながら、居心地の良い行き届いたホテルで、ホテルで働いている人たちも素敵な人ばかり。特に、二人の娘たちが仲良くなったのは、ホテルに住んでいる少年ヤンだった。雨の日はホテルの中で潜水艦ゴッコをしたり、町を散策したりして過ごします。

二人の女の子たちが、短い期間滞在するホテルは我が家のようで、この二人が去ったあとのホテルのさみしげな描写は、ホテルマンのカルヌヴアルさんのたんたんとコルクを薄く削り、ガタガタするテーブルを補正する姿に垣間見え、直接的ではないがしみじみする。さすが江國香織的な翻訳である。
途中で、あのマドレーヌちゃんが友情出演したりと、絵本を知っている子には楽しいだろう。にしても、形容詞や空間描写が多すぎて若干飽きてしまう感はあるのだが…