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となりのウチナーンチュ

 

となりのウチナーンチュ

となりのウチナーンチュ

 

 彩華は、売れない自称小説家の父と二人暮らし。その隣家へ東京から夏海とその父親が引っ越してくる。貧乏すぎて高校に行けない彩華と、イジメで登校拒否とななった夏海。沖縄ののんびりした風土は徐々に夏海を癒し、二人の友情は深まっていく。生霊になって夏海を追い詰める母親、とぼけたカエル神様の青蛙神、ひょうひょうとした隣人の瑞慶覧さんなど、軽妙に物語は展開する。あこがれて沖縄に移住した人間のほとんどが定着しないという現実をサラリと示し、過剰にユートピア化しないところがなかなかいい。ただ、主人公の女の子2人とも、義務教育中ならともかく、本来なら高校1年生というなら、働け!! 特に彩華。あてにならない父親に頼らず、バイトくらいしよう。稼ぎがないといいながらしょっちゅう飲んでる彩華の父も、酒代大丈夫か?と突っ込みを入れたい。