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夏の夜のギリシャ神話

 

夏の夜のギリシャ神話 (文研じゅべにーる)

夏の夜のギリシャ神話 (文研じゅべにーる)

 

 田舎のおじいちゃんの家に行ったマイアとコトの姉弟は、羊の世話を手伝いながら、おじいちゃんが話してくれるギリシア神話を楽しみにしていた。ギリシア神話の再話であるが、基本の物語を壊さずに、文学的なイメージを乗せていて質がよい。たとえばパリスの審判で、金のリンゴを受け取ったアフロディテが、自分の姿をその表面に映し、ゆがんだ姿に嫌悪を覚える場面など印象的。だが漢語が多く、直訳的な訳が読みにくく残念。