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バレエなんて、きらい

 

バレエなんて、きらい

バレエなんて、きらい

主人公ウィニーには、仲良しの友達が二人いる。毎日お揃いのアイテムを身につけて、学校に通って、学校のあとも一緒に過ごす。ところが、バレエ教室に三人で通うようになってから、ウィニーは不満に感じることが出てきた。バレエなんてしたくはないのに(実際、ウィニーはバレエが下手)、二人に付き合わされてしまうし、また父親も、ウィニーにバレエをしてもらいたがっているので気が滅入る。ある日とうとうバレエをしないと宣言したウィニーは、友達とケンカをしてしまい…。
 
女の友達との、とてもデリケートな関係を描いている。何でも同じにするのが仲間のしるしと考えがちな年頃から、一歩進んで、個人を尊重した上で、友情を育むというステージへ向かっていく。いじめとか、そこまでの陰湿さがないのが、軽くて読みやすく高学年でも読めそうだが、タイトルのバレエは、基本あんまり出てこないので、バレエ目当てで本を手にとった読者はガッカリしそう。