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ふたりのスケーター

 

ふたりのスケーター

ふたりのスケーター

  • 作者: ノエルストレトフィールド,リチャードフロース,Noel Streatfeild,Richard Floethe,中村妙子
  • 出版社/メーカー: 教文館
  • 発売日: 2017/11/15
  • メディア: 単行本
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 世界的なスケート選手だった父を早く失くし、ひきとられた裕福なおばにスケート選手の英才教育を受けて育ったララ。一方、ハリエットは、豊かではない大家族育ちだが、病後の健康回復のために、お医者さんがスケートを勧めて無料でスケート場に通わせてくれるようになり、10歳でスケートを始めることになる。とはいえスケート靴のレンタル料金を長兄がバイトで稼いでくれてやっと、という状態だった。偶然スケート場で出会った同じ年の二人は仲良くなり、ララはハリエットの暖かい大家族の一員に迎え入れられることを楽しみ、ハリエットはそれまで友だちがいなかったララの友だちとして乳母や家庭教師に大歓迎される。家庭教師たちが、口うるさい叔母をくどいて、同い年と競うことが刺激になると言ってくれたおかげで、ハリエットはララと共に家庭教師に学び、バレエやスケートのレッスンを受けられるようになった。おとなしいが地道なハリエットはメキメキとスケーターとしての力を伸ばしていくが、叔母はララが有名選手になることだけを考え、アイスショーに参加させるように圧力をかけてくる。ショーは大成功するが、称賛の中でララは地道な練習を嫌がるようになってしまう。華やかなララとまじめなハリエット、ハリエットが一気に実力を伸ばすことで二人の仲は決裂しそうになるが、根は共に素直なララは、自分の中にあるハリエットへの嫉妬や自身のなさに気付くことでもう一度本当の友情に立ち返る。いつものストレトフィールドっぽいちょっとメロドラマ的な展開だが、読みやすく素直に楽しめる。