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ルイジンニョ少年ーブラジルをたずねて

 

ルイジンニョ少年: ブラジルをたずねて

ルイジンニョ少年: ブラジルをたずねて

 

 角野栄子さんが自身のブラジル生活体験を元に書いた1970年デビュー作。2018年国際アンデルセン賞・作家賞の受賞を記念して復刻された。
9才の少年ルイジンニョや両親、現地の人々との交流を通してブラジルでの暮らしになじんでいく様子がつづられる。タイトルになるくらいルイジンニョくんが魅力的。ポルトガル語やサンバの踊りの先生であり、対等な友だちのようでもあり、そして多民族国家ブラジルのおおらかさや情熱を体現している。ブラジル料理フェイジョアーダ、サッカー、コーヒー、夏のクリスマス、様々な国の人が出す店が並ぶ市場(もちろん日本人の店もある)など・・・ブラジルがぎゅっと詰まった本。
復刻版あとがきには、60年前の渡航時と変わらない角野栄子さんの好奇心がほとばしっています。