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隣の家の出来事

 

隣の家の出来事 (1980年) (あたらしい文学)

隣の家の出来事 (1980年) (あたらしい文学)

 

 小さな男の子が殺された、しかも血を抜かれて! この残酷な事件の犯人捜しの中で、人々は近所に住むユダヤ人一家を疑い始める。30年以上もまじめに暮らし、アリバイもあるというのに。犯人を見つけようとする焦り、目立ちたいばかりに架空の目撃談を語る男。周りからの圧力で、アリバイ証言を取り下げてしまう恋人だったはずの青年。第2次世界大戦前のドイツの田舎町を舞台に、人間の偏見の恐ろしさを描いた佳作。