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木の葉のホームワーク

 

木の葉のホームワーク

木の葉のホームワーク

 

ジーナは元気だけど、ちょっとルーズで片付けが苦手な女の子。ついつい宿題を忘れたり、細かい注意を聞き逃して失敗してしまう。そんなジーナを何かと助けてくれるのは同じクラスの男の子ジグ。今回の宿題はちょっと手ごわい。木の葉を25枚集めて、きちんと分類してどういう木なのか調べなくてはいけないのだ。陸上の試合に夢中でつい後回しになっているジーナをジグは手伝ってくれるが、折から家では大好きなおばあちゃんのようすがおかしくなったり、集めた木の葉がゴミと間違えられて捨てられたりとトラブル続き。とどめはジーナが宿題をきちんとやらないと試合の出場資格を失うことを知っている嫌味な補欠のビアンカに宿題ファイルをぐちゃぐちゃにされてしまう! なかなか進まない宿題と、徐々にはっきりしていくおばあちゃんのアルツハイマー。どうなるのだろうと、ドキドキしながら読み進めることになる。きちんとしたママと相性の悪いジーナだが、おばあちゃんの病気に向き合う中で、ママの辛さにも気付いていく。最初はめんどくさいと思っている宿題に取り組む中で、木のことを知り、周りの人は何の木かなと発想を飛ばしていくジーナを見ていると、学ぶ、とはこういうことなんだな、と思わされる。アルツハイマーという重い問題にも、きちんと向き合っているので高齢の祖父母や今時なら曾祖父母がいて同じ問題で戸惑う子がいれば勧めてあげたい。