児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

サラとピンキーパリへ行く

 

 真っ白な表紙の中で、こちらを見ている女の子とブタさん。ピンクの縁取りのサングラスがまた魅力。これが主人公のサラちゃんとそのお部屋の中のダンボールのお家で暮らしているピンキーです。いい天気のお出かけ先はパリ。パリは遠いので、真っ赤な車に乗っていきます。すてきなカフェでジュースを飲んで、特別なケーキをごちそうになって、おまけに宝石泥棒を捕まえてお礼に宝石をもらって無事帰宅。子どもがはっきりイメージして満足できる展開はさすが富安さん、そして挿絵も本人ですが、絵も上手なんですね。天は二物を与える、でうらやましい限り。いかにも、なお話なのにわざとらしさを感じさせない展開の秘密は、富安さんの中にしっかり子どもの心が残っているからなのかもしれません。