広島の原爆慰霊碑に水を供える活動をしている宇根利枝さん(2009年9月当時91歳)による被爆体験談。子どもに語りかける口調が重くなくて受け入れやすい。
宇野さんは原爆投下時、爆心地から2、7㎞の託児所で先生をしていた。行方のわからなくなった子どもを探すため、水をほしがる人たちの必死な願いをふりきってしまったことを悔やみ、戦後1955年から原爆献水供養を始めた。寺の境内に流れる滝やわき水をくんで、県内120か所はあるという慰霊碑をめぐる54年にわたる活動を「あっという間」と話し、読後感が明るい。読んであげれば低学年から。 (は)