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コタンの口笛 第2部・下ー光の歌ー

 

マサが新たに身を寄せた岡野家は、おばあさんを中心にクリスチャン。クリスマスを迎え、ツリーを飾り賛美歌で祝い、マサは、歌集と聖書をプレゼントしてもらう。

その晩、年下のユリ子と一緒に風呂に入ったマサは、改めて自分の黒々と濃い全身の毛に、自己嫌悪におちいる。

そんな折、慕っていた谷口先生から手紙が届き、結婚するという言葉にマサは吹雪の中へ飛び出し、寝こんでしまう。病床で聖書の「敵を愛せ」という言葉を読み、後藤ハツのことを初めて相手の身になって考えをめぐらす。その同じ夜、ハツの家が火事を出し、大きな負債を抱えることに。ハツの方からも、これまでの言動を詫び、マサを見舞う手紙が届く。

一方ユタカも、中学校の英語弁論大会で2位となり、ゴンと仲直りをはたす。そして、無事に中学校を卒業したマサは、バスの車掌として初仕事に臨むのだった。

物語の完結ということで、登場人物がそれぞれ未来を見つめ、人生訓的なせりふが多い。娘の若い死を受けてクリスチャンとなった作者。おばあさんに、神へ祈る言葉を多く語らせています。 (は)