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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

図書館のはじまり・うつりかわり 図書館のすべてがわかる本

 

 図書館の歴史を古代からたどる本。だが、わかるようでわからない部分が残るのだが、これは歴史的にわかっていないのだろうか? たとえばP14の図書館のはじまりで、アッシリアの図書館。ねんど版の本だけど、どうやって閲覧したんだろう? また、一番気になったのは、開架式と閉架式の違いで、「図書館員がたのまれた本をもってくる」としか書いてないが、これで現代の小学生わかるのだろうか? カードで読む本を探して、出納票に書いて持っていき、受け取った本を持ちださずに館内の閲覧室で読むという流れは、「もってくる」ではわからないと思う。自由に手に取り、貸出ができる図書館がどんなに画期的であったかは、もう少しちゃんと伝えたい。石井桃子氏の業績がきちんと触れられているのはうれしいが、現在のふつうの公共図書館を、半ページでも最後に入れて変化のまとめをしても良かったのでは?