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12月の夏休み ケンタとミノリの冒険日記

 

12月の夏休み ケンタとミノリの冒険日記

12月の夏休み ケンタとミノリの冒険日記

  • 作者:川端 裕人
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: 単行本
 

 10歳のケンタと7歳のミノリは、写真家のパパの撮影についてきたニュージーランドで12月の夏休みを過ごしていた。南半球では日本と季節が逆なのだ。ママは仕事で日本に残っている。撮影に出かけたパパが忘れたコンパクトカメラを届けるために、二人はパパのいるところまで出かけることになった。バス停までは借りている家の大家さんが送ってくれるし、現地ではパパが待っているから安心と思っていたのに、迎えに来たのは鳥の保護活動をしているメアリというおばさん。奥地に行ったというパパのところに、化石の発掘をしている庵野さんという日本人がさらに連れて行ってくれるという。忙しい庵野さんは小屋まで送り届けるとすぐ帰ってしまったが、なんと小屋はもぬけのから。パパは、鳥を追いかけてさらに進んでしまったのだ。国道まで出るにも車で1時間。家の中には何もないし、お金もない。二人はしかたなく、川で魚をとったり、海で貝をひろってくるサバイバル生活をはじめた。だれかがすぐに誰か気がついてくれると思っていたのに、誰も来ない。パパの手紙にバスチケットが入っているのに気付いた二人は、なんとか国道まで歩き、バスでやっと港に着くが。そこではまたまたパパの姿はなくて、船に乗せてもらえという指示が! やっとのことで船で島に渡り、ついに二人はパパと会えるという物語。物語の写真がところどころに挿入され、リアル感いっぱい。だが、正直言って10歳と7歳を、しかも外国でここまで放置して大丈夫なのか? とつい考えてしまった。うなぎや魚を釣ってはさばいたりのサバイバル、私でもちょっと自信がないかも。実際、ミノリは途中で発熱しているし、ネグレクトと紙一重!? 子ども目線で読んだらどうなのかちょっときいてみたくおもいました。