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サンタと小人の国のお話集

 

フィンランドにはサンタクロースと小人の住む山、コルバトントリがあります。そのフィンランドで子ども向けクリスマス雑誌に掲載されたものから、バラエティに富む6つのお話。
夏、クリスマスを待ち遠しい女の子が森へ行き、クリスマス飾りを栽培しているおばあさんたちに出会う「クリスマスをさがしにいった女の子」、忙しさの中で歌われなくなった讃美歌が小鳥や人々を訪ねて楽しい子ども時代を思い出させようとする「年おいたクリスマスの歌」のほか、子どもたちの願いが見えるテレビ望遠鏡、プレゼントの仕事にあきてしまったトントゥ(クリスマスの小人)、サンタと小人の新しいファッションをつくってみたサンタの奥さん、子どもたちの手荒な扱いに怒ったおもちゃたちと子どもを仲裁するサンタの話。どれも心がほっと温まる読後感です。
ただ細かいことですが、「クリスマスをさがしに~」の挿絵で国旗かざりの畑の目印が日の丸になっているのは、そこまで翻訳しなくても!と思いました。  (は)