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はじめてのクリスマス・ツリー

 

はじめてのクリスマス・ツリー

はじめてのクリスマス・ツリー

 

明日は冬至。マリアンナの学校のどのクラスにも、そして街にもクリスマス・ツリーが飾られ、モミの香りにあふれています。でもマリアンナの家にはツリーがありません。ほかの人たちと同じようにすることをお母さんが大嫌いで、今まで1度も飾ったことがないのです。もうすぐ10歳になるマリアンナは、お母さんの意志を曲げるのが容易でないことをわかっていましたが、今年こそはツリーを飾る!と決心し実行に移します。道端に捨てられていたツリーを家に持って行くことにしたのです。一方、クラスメイトのアリーは、はしけ船に住んでいてツリーを持っていますが、ほかの女の子たちのように自分のたんすがほしいと思っていました。マリアンナは、くつ箱の中に小さなたんすやベッドをすえたミニチュアの部屋を作ってアリーにプレゼントします。そこでアリーもマリアンナの願いをかなえるために、ツリーを運ぶのを手伝います。その後お母さんともうひと悶着あってようやく、マリアンナは「だれもかれも」のではないツリーを作り上げ、お母さんに認めさせることができました。たった2日間の物語が濃密に描かれ、マリアンナのめげない強さに心動かされます。 (は)