「原発無知」「まったくの素人」という著者が、3.11の原発事故直後から、原発についてモーレツな勢いで知ろうとしていく過程をいっしょに体験する。
とにかく人に会って疑問をぶつける、話をきく。元・原発労働者にはじまって、歴史社会学者や原子力調査研究機関代表、獣医、映画監督など。原発というとてつもない存在に多方面から攻めていく感じです。原発初心者なのは私も同じ。そして、10年たって読み直してまた「そうだったのか」と思ってしまう。情報が隠されたり言葉が言い換えられたりしてうやむやになっていくこと。「はんげんぱつ新聞」編集長の「ライフスタイルの見直しを」という言葉が、今のコロナ禍とかぶります。
一筋縄ではいかない原発問題ですが、大人はもちろん中高生も、自分事として考えつづけるためのテーマを見つけられる1冊です。 (P)