児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

子どもと遊び

 

第Ⅰ部に子どもの遊び文化を年齢と発達に沿って例示解説し、第Ⅱ部でそれらの遊びがいかに子どもの心身の健康的な発達を促すかという論拠を、脳の発達、自然・社会環境、ことばの作用などの観点からわかりやすくユーモアを交えて説いてくれます。

子どもの遊びは子どもたちがおもしろいと思うものだけが「集団選択」されて残ってきた、というは子どもの絵本にも通じます。そして、自主性、創造、探求、思考、参加参画意識・・・といった文科省の小中高指導要領に書いてあることは、子ども自身が夢中になって遊ぶ環境を奪わなければ自ずと身につくのだなあということにも気づかされます。

でもそれは学校教育に意味がないということではなく、遊び、家庭、園・学校それぞれが相まって「すこやかなかしこい子」になるのだという、結論の図解に深く納得です。実家の本棚でお宝発見の1冊でした。  (は)