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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

日本の川 たまがわ

 

多摩川の水源林が広がる秩父山地から東京湾羽田空港まで、鳥瞰図でたどります。案内役は、山の神のおおかみとその使いの男の子。2人の会話からなる文章で、多摩川周辺の自然と人々の暮らしの歴史がわかります。百数十万年前の化石の発見、ヤマトタケルの伝説、古墳あと、江戸時代につくられた玉川上水や用水路、石灰石の採掘地、ダムの底に沈んだ村。自然豊かな緑の山も、平野に広がり増えていく宅地や鉄道路線もどちらの風景も壮観。タイトルページと最後に登場する女の子の赤いバンダナが、源流から河口まで流れていくのを探すのもちょっと楽しい。 (は)