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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

雌牛のブーコラ(愛蔵版おはなしのろうそく12)

 

まさに今から年末にかけて楽しみたいお話が並ぶ。

秋のお話は「腹のなかの小鳥の話」。アイヌの昔話で、鳥の神様が口へ飛びこんだパナンペじいさんは、お腹の歌を聞かせて殿様からほうびをもらい、まねしたペナンペじいさんは歌の代わりにおならが出て捕らえられてしまう。冒頭、パナンペじいさんが山へとりに行くこくわ(さるなし)の実は、『たべられるきのみ』(菅原久夫/文、高森登志夫/絵、福音館書店)で見ることができます。 どんぐりを拾ったら遊びたいわらべうた「おてぶしてぶし」も楽譜付きで掲載。 「雌牛のブーコラ」はアイスランドの昔話で日本の「三枚のお札」のよう。女トロルに追われる主人公が雌牛のブーコラのしっぽの毛を地面に置くと、大きな川、火、山が出て逃げのびることができる。
そして、クリスマスの話「マッチ売りの少女」と「海の水はなぜからい」に、大みそかの「絵姿女房」。特に「マッチ売りの少女」については、なかなかいい絵本がありませんが、本書の挿絵は子どもの想像を助けるものになっています。  ほかに朝鮮や北米先住民の昔話など4話とわらべうたもう1つ。  読んであげれば5,6歳から。 (は)