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牛追いの冬

 

季節は秋。子どもたちは学校が始まり、11歳になったオーラだけは上の学校に通います。最も待ち遠しく幸せなのはクリスマス。お父さんも大乗り気な仮装行列で近所を訪ねて歩くのが楽しい。そして男の子たちの遊びはますます過激。ボーイ・スカウトごっこの「一日一善」はほほえましいが、大きなたるの中に入って丘を転がり下りる!とか。 オーラは、夏に山小屋で会ったインゲルという女の子がずっと気になっています。意地悪なおばさんと暮らすようすが気がかりでしたが、子どものいない役僧さん夫婦に引きとられることになり、オーラと同じ教室で学ぶことになるのです!
元は1冊の本として出された『小さい牛追い』の続編で、秋から冬、次の春までを描く。ランゲリュード農場の4人きょうだいにくわえ、隣の農場の子たち、そのいとこと、1人ひとりの個性や存在感がひかります。 (は)