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闇の魔法学校 死のエデユケーション Lesson1

 

魔力がある子どもたちの寄宿学校スコロマンス。教師はいない、学校が勝手に課題を送り付けてくる。虚空に浮かぶ校内には、怪物が徘徊する。倒すことか防御ができなければ命はない。それでも入学者は後を断たない。なぜなら、魔力のあるこにとっては、外の世界でいるよりは生き延びる確立が高いからだ。ガラドリエの母親は天使みたいな女性だ。常に大きな愛で包んで、彼女が決して魔力の源泉マナを他者からすいとることを、決して許さなかった。だが、生まれた時からガラドリエはみんなに嫌われた。母をかばって死んだ父の実家からは、破壊の子として拒否される。自分の中に破壊の魔力がうずまく自覚もある。その力を暴走させないように抑え、なんとか生きて学校を卒業して居場所を見つけなければならない。誰からも避けられる彼女だが、孤立者は怪物たちの標的になる、冷静に仲間を確保しなければいけない。アアディアは公平な取引上手で、生徒の中では一番味方に近い存在だし、周りとフェアに助け合って、なんとか3年生までたどり着いた。この3年間、生徒たちはオリオンのおかげで、何度も命を救われていた。最大の魔法都市ニューヨーク自治州の名門に生れ、けた外れの力で、軽々と怪物を倒す。みんなのアイドルのような存在だ。だがガラドリエには迷惑。白馬の王子のように現れ、目の前の怪物を倒してくれたオリオンに激しい皮肉を浴びせかけずにはいられなかった。なのに他の子と違う反応が気になったのか、オリオンはガラドリエに近づいてきた。みんなは意外なカップル誕生とどよめくが、ガラドリエは、真相がバレる前にこの機を逃さず有利な立ち位置を獲得しようと冷静に行動する。そして普通なら決して現れないほどの凶暴な怪物が現れる。オリオンが、この3年間生徒を守り抜いたため、学校と怪物は飢えているのだ。4年の卒業試験は、怪物のいるホールを生きて通り抜けること! だが、これでは今年はヤバイ。4年生の陰謀、オリオンの意外な素顔、そしてガラドリエは自分の居場所を校内でどう確立するのか? 一見、反抗的なガラドリエのまっすぐさは、荒れ狂う思春期の中の理想の女の子ろもいえるかも。自分の信念とプライドを頑固に守り抜く不器用なガラドリエ。2巻以降が楽しみ。