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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ぼくが5歳の子ども兵士だったとき

 

ミシェルは、家でたった一人の男の子として大切に育てられていた。父は人権派の弁護士、内戦下のコンゴではあっても、戦争の影を気にすることなく過ごしていた。だがある日、突然学校に兵士がやってきて子どもたちを誘拐し、5際のミシェルもつかまってしまう。鉄砲を持たされ、目隠しされ、引き金をひかされた後、目隠しをとると目の前で親友のケビンが死んでいた。人殺しだから帰れないと脅され、麻薬も使われる。だが3週間ほど立った時、村襲撃の先兵として先に活かされた時、とっさに草むらに入って逃げた。シャングルを逃げて、やっと見覚えのある場所にたどり着き家に帰れた。だが、もう昔のように無邪気ではいられない。懸命にミシェルをさがしていた父は、不正にいっそう声をあげるようになるが、逮捕され拷問を受けた。家族は難民キャンプに逃れ、父はそこで亡くなるが、母とミシェルと妹はカナダに受け入れてもらえた。悲劇を知ってもらわなければならないと、自分の体験をはなすようになるまのでノン・フィクション。自分の無力さを感じるときに、「蚊は、あんなに小さいのに寝ている人を起こす力がある」と父に言われた言葉に奮い立つところは子どもたちに響くと思う。